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一番最初にこの章のプロットがたっていた。

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第十七章 崩壊
 
 
 
フェイトが空を見上げるのにつられて、なのはも仰ぐ。
 
膨大な量の魔力を纏った人が、空から降りてきた。
 
「プレシア…テスタロッサ…!?」
 
なのはが思い出したように呟く。確か彼女はSSランクオーバーのバンパイアだ。
誰もがその強大な魔力に気づき、動きを止めてそちらに注目した。
 
「母さん…」
 
「フェイト…こっちにいらっしゃい?」
 
フェイトはおずおずとプレシアの下に飛んだ。
 
「フェイト…何をあの娘と話していたの?」
 
「…何でも……ないです」
 
「それじゃあ、早く殺しておしまいなさい。あなたがあんな娘に負けるはずないでしょう?」
 
「で、でも……」
 
「母さんの言う事が…聞けないの?」
 
「ち、違います…!!」
 
「だったら…早く行きなさい」
 
フェイトは振り返り、なのはと向き合った。
 
「なのは…」
 
「フェイト!!」
 
その呼びかけに身体がビクッと震えた。でも…。
 
「トライデント、スマッシャー!!!」
 
フェイトはカートリッジを三発使い、攻撃を放つ。
 
「エクセリオン、バスター!!!」
 
なのはも砲撃を放った。防御するよりも相打ちにしたほうが、聖力消費も負担も少ない。
 
「何で…嫌なことまで言うこと聞こうとするの!?あなたも!!分かっていてやらせているんでしょう!?」
 
フェイトとプレシアに話しかける。
 
「私は…!!母さんにもなのはにも笑顔でいて欲しい…!!でも…」
 
両方なんて望めない。でも、どちらを選べばいいか分からない。
 
「フェイト…」
 
プレシアはしびれを切らしたのか、フェイトにゆっくり近づいた。
 
「フェイト…もう…いいわ」
 
フェイトの表情がパッと明るくなる。だが、
 
「本当に、使えない子ね…」
 
フェイトの両手にバインドが絡まる。
 
「!?母さ…っ!!」
 
何が起こったか分からなかった。
 
でも、胸元に急激な痛みが走ったのだけは分かった。
 
魔力が、何かに吸い取られているのが分かる。
力の入らないまま、自分の胸元を見た。
 
ホワイト…アッシュの杭?
 
「なん…で…?」
 
「あなたは…もういらないわ…」
 
不意に、プレシアの後ろに透明な棺が現れた。
 
 
その中には
 
 
金色の髪を持つ、
 
 
目の前の人物と瓜二つの少女が
 
 
杭を胸に打たれたまま横たわっていた
 
 
「だ…れ…?」
 
かすれた声で訪ねる。
 
「この子はアリシア…。あなたのもとになった子よ…」
 
「もと…?」
 
身体に力が入らない。首を上げているのさえやっとだった。
 
「あなたは…あのスレイブ、スカリエッティに作らせたアリシアのクローン。しかも人の血が混じった欠陥品…」
 
思考を失った頭では、その意味が全く理解できない。
 
「でも、折角アリシアの記憶もあげたのに、あなたはアリシアと似ても似つかなかった…」
 
リカイ
 
「アリシアは戻ってきた。それにあなたはもう私のオモチャとしても働かなくなった。
……だから、もういらないわ」
 
デキナイ
 
「やめて!!」
 
視線だけを声のする方へ動かす。
 
「もう…やめて…!!それ以上…!!」
 
「人間が…私に意見するな!!」
 
プレシアが魔力を溜めだしたのに気づき、フェイトは無理矢理バインドを引きはがした。
空から、一筋の電光が落ちてくる。フェイトはなのはを残っている力を振り絞って突き飛ばした。
轟音が辺りに響き渡る。撃たれたフェイトはそのまま地上に落下していった。
 
「フェイト!!」
 
落ちる途中でフェイトを抱き上げたのは、アルフだった。
なのははその様子に一応ホッとして、プレシアを見上げる。
彼女は笑っていた。フェイトがこんな行動に出ることを確信していたのだろう。
 
「もういらないというのなら、何故殺そうとするんです!?」
 
それを聞いてプレシアは冷徹な笑みを浮かべた。
 
「そんな欠陥だらけの模造品を残しておくなんて、アリシアが可哀想だわ。だから…壊しておくのよ」
 
もう一度手を空に掲げ、魔力を集めようとした。
 
 
だがその時、
 
暗闇だった空が、光を放ち始めた。
 
夜明けだ。
 
あんなにいたバンパイア達がもうほとんどいなくなっていた。
 
日が出ているうちは、魔力は威力が半減してしまう。
だから、昼間の戦闘は強いバンパイアに余程のことがない限り起きない。
 
「…明日は、必ず殺してあげるわ」
 
プレシアもそう言いはなって消えていった。
 
残ったバンパイアはフェイトと、その使い魔のアルフだけだった。
 


続く

 
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