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聖蓉
ラブラブだよぉおおおお

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************

今年も、バレンタインという日がやってきた。

高校生の頃はそれはもうなんというかな数だったが、大学になってそうでもなくなった行事だ。


今年も彼女はくれるんだろうか…?


それは勿論蓉子のチョコだ。

何か…毎年もらうだけではつまらないような気もする。

何故かいつも貰う側に徹していたから、あげてみるのも新鮮でいいかもしれない。

「そうしようかな…」

聖はそう呟いて立ち上がった。


************


「蓉子~!」

私は駅の変なモニュメントの下で待っている蓉子に声をかけた。

「遅いわよ!!」

「ごめんごめん、ちょっと準備に時間掛かっちゃって」

「もう、いつもそう言ってるじゃない」

今回は本当なんだけど、ということは胸の中に閉まって、あははと笑う。

「笑ってごまかそうとしないでよ」

少しは何か期待をして待っていたのだろう。今日はなかなか許してくれない。

「ごめんごめん。何か奢るから、許してよ」

両手を顔の前で合わせて少し大げさに謝る。

「しょうがないわね…」

どうやら許してくれたらしい。

「どこいく?」

「そうね…とりあえず、あそこから」

今日のデートはウィンドウショッピングに決まったようです。


************


「えーと、蓉子さんこれはまだ行くんですか?」

蓉子がこんなに買い込むなんて珍しい。余程楽しみにしていたのだろう。
やっぱ一時間は遅れすぎですね。

「今日は…これくらいでいいかな」

はい、よろしくお願いします。

「じゃ、じゃあ、美味しい店知ってるんだけど、行かない?」

頃合いも良くそろそろ夕飯時だ。

「お腹も空いたし…そうしようかしら。どこ行くの?」

「凄く店も綺麗だから、きっと気に入るよ♪」

私は蓉子の手を引いて歩き出した。
場所はここからそんなに遠くない。予約もしてあるので、すぐに入れるはずだ。

「え…?ここ?」

う~ん、確かに大学生が入るには少し勇気がいるかもしれない。

「大丈夫、大丈夫!」

私は先に入って、迎えに出たウェイターに名前を告げる。

「佐藤様ですね。こちらへどうぞ」

すんなりと席に座れた。

「もしかして、予約取ってたの?」

「うん、蓉子を驚かせたくてね」

「バレンタインにあなたが何かしてくれるなんて、珍しいわね」

チョコも用意してあったりして、と笑いながらメニューをながめ始めた。

その通りですよ、蓉子さん。

「よく分かったね」

「え?」

冗談で言ったつもりだったのだろう。かなり驚いている様子だ。

「はい、蓉子。大好きだよ」

「え、あ、ありがとう…」

放心したままそれを受け取っている蓉子は随分と新鮮だ。

「どうしたの?」

「いや、その…あ、はい、これ」

蓉子自身も鞄から箱を取り出した。
きっとこんな風に渡すとは思っていなかっただろう。今日はすごい収穫だ。

とりあえず、こんな蓉子を見ながら食事が出来て、私は満足です。

 


Fin.


聖蓉は、何か長いこと付き合ってる恋人みたいな、そんな感じ。

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