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とりあえず色んなお返事は置いておいて、落としていきます。

なのはさんが痛々しい(続

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――――――ほら、お前は今日からここに入れ。


嫌ぁ!お父さんは!お母さんは!!皆はどこ!?


――――――言うことを聞いていれば、飯くらいは食わしてやる。


やっ!!何して…変なことしないで!!


――――――うるさい!!静かにしろ!!


嫌っ!いやあっ!痛いよ!痛い!!


――――――言うことを聞けって言ってるだろうが!!


何!?やだ!!熱い!!熱いよぉ!!痛、いよぉ!!







息苦しさに、私はバネのように起き上がった。

目に入ったのは、うっすらと明かりが点った、見知らぬ部屋。
夢の中から感覚が戻ってくると、手に何か温もりがあった。

「…気がついた?」

声が聞こえて、私はビクッと肩を揺らした。

「怖い夢でも見たの?少しうなされてたよ?」

あの時と同じ、優しい声。
私はほんの少しだけ、肩の力を抜いた。

電子音がして、明かりが点く。
私の目に入ったものは、ベッドと少しの本と机が置いてあるだけの、簡素な部屋だった。
ある意味、無機質と言っても良いくらいだ。

「私…」

記憶を探るが、まだ頭が重い。

「ここは、私の部屋。私が君を保護したんだ。君、三日も眠ってたんだよ?」

…保護…、…そうだ。私は…あそこから、逃げ出して…

「痛いところとか無い?」

唐突にそう聞かれて、私は自分の身体を確かめる。
歩けないようにと焼かれた足の痛みも、服が擦れるたびに体中にある傷から駆け巡った激痛も、今はもう無い。
それどころか、その痕さえ。
まるで悪夢でも見ていたかのようだった。

「大丈夫…です…」

「そう…良かった…」

その人はフニャリと笑った。そして、あくびを一つ。
その姿に、いつもなら既に湧いているはずの警戒心がうんともすんとも言わなかった。
この間、そう、たった二言三言話しただけで、何故かこれ程までに安心できる。
こんな事初めてだ。自分自身が不思議でしょうがなかった。

「お腹空かない?ご飯、食べられる?」

その人は私を見て嬉しそうに言った。
はっきり言えば、元々ほんの少しの食料しか与えてもらっておらず、逃げ出してからは何も食べていなかった。空きすぎているほどだ。
でも、この間会ったばかりの人に、遠慮無しにそれを言うのは戸惑われた。

「食事、持ってくるね?」

だが、その人は私の答えを待たずに椅子から立ち上がった。

「え、あ…」

言葉にならない声。

「ちょっと待ってて?すぐ戻るから」

でも、それは別の意味で伝わったらしい。
私はそのままその人が部屋から出て行くのを、呆然と見つめていた。

「あの人…」

不思議な人だ。本当にそう思う。
そして、本当に夢だったんじゃないかと。
でも、彼女の存在そのものがそれを否定している。
下腹部にいつも感じていた鈍い痛みも、もうない。
どうやってそんなところまで治療したのかと少し訝しむと共に、恥ずかしさがこみ上げてしまった。
どうやらあんな扱いを受けていたのにもかかわらず、人並みの感情がまだあったらしい。

「お待たせ~」

その人が美味しそうな匂いを連れて、また部屋に戻ってくる。

「いきなり重いもの食べるとお腹痛くなりそうだから、軽いものだけね?」

そう言って先程の場所に座り、トレーにのった二つの暖かそうなスープを見せた。
その途端、空腹を告げる収縮の音が私の胃から聞こえる。
私は恥ずかしくなって俯くが、その人は軽く吹き出していた。

「…笑わないでください」

「いや、ごめん。つい…。でも、良かった」

「…何がですか?」

「食べられるくらいの元気があるって事だよね?」

どうぞ、と手渡されたそれは、本当に美味しそうだった。
私は顔色を伺うように、顔をスープに向けたままその人をチラリと見る。
その人は私の視線に気がつき、笑った。

「…いただきます」

「はい、どうぞ」

一口、それを飲み込む。

久しぶりの温かい食事。

「美味しい…」

何故だか涙が溢れそうだった。
だが、私はそれを隠すようにそれを啜った。

「良かった。じゃあ、約束も守れたし、一石二鳥かな?」

「やく…そく?」

記憶を辿る。そうだ、あの時…。

「テスタロッサさん…?」

まさか、咄嗟にした簡易な約束を守るためだけにこの人はここにいたのだろうか?
そういえば、よく見ると顔色が悪いような気がする。
さっき欠伸もしていた。

「そんな呼び方しなくて良いよ。名前で呼んで?」

「…フェイト、さん?」

「ん、まあいいかな?」

そう言って、フェイトさんも再びスープに舌鼓を打つ。

「ずっと…起きてたんですか?」

三日間も、とは考えづらいが。

「え…えと、まあ、軍人だったら二日や三日寝なくても大丈夫だよ」

今度は何故か慌てたように笑みを零した。

この人は…本当に…。

「あなた…馬鹿ですか?」

命の恩人に言うような言葉では無いことは重々承知だ。
でも、何故か苛々してしまったのだ。

「え、あ、う~んと…よく言われる」

友達とかに、と再び苦笑した。

「でも、約束したからね…」

何故か無性に苛立ちを悪化させた。
でも、その苛立ちがなんなのか、私はなんとなく分かっている。


そして、それももうすぐ…


「よくこんな世界で、そんな律儀で生きてこられましたね」

その人は一度目を丸くして私を見ると、にっこり笑った。

「世界は関係ないよ。約束は約束。守らなきゃ」


私が即席で建てた壁は、もう打ち壊されていた。
もう、涙も止められない。
私がボロボロと泣き始めると、切なそうに眉を顰めて、そっと抱きしめてくれた。
私はそれに抵抗せず、その人の胸の中で泣いた。

久しぶりに貰った心を満たす暖かさが、嬉しかった。



続く


この話、次で一気に飛んで二人が仲良くなってるんですが、仲良くなるまでの経緯というかそこまでの平凡な日常を淡々と描いた話を入れた方がいいのか考え中。

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無題
やはり二人が仲良くなるまでのお話は必要だと思う
ほら、なのは人間不信になっちゃってるみたいだし?一応、敵国の軍人さんに(フェイト)心を許すようになるまではきっと時間かかると思うんだ。
なのはの世話を焼きまくるフェイトそん希望!!!
炎樹さん / 2008/05/08(Thu) /
Re:無題
やっぱ書かなきゃ駄目かなぁ…?うん、じゃあ頑張ってみるよぉ…でも過度な期待はしちゃ駄目なんだZE☆
 (2008/05/10)
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