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フェイなの
シリアス

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「それじゃ、また明日ね!!」

「うん、また明日」
  
金髪の少女―フェイト・T・ハラオウン―は自分の恋人である亜麻色の髪の少女―高町なのは―の手を離した。

可愛い笑顔をこちらへ向けて、手を振ってくる。自分も振り返す。

なのははさらに嬉しそうに笑うと、小走りに家へと向かっていった。

なのはは振り向かない。

よく分かっていた。いつも見えなくなるまで後ろ姿を眺めているのだから。

フェイトはそれを見送ると、自分も家路についた。

 

 


傾いて、辺りを真っ赤に染めている夕日。何となくもの悲しくなって、少し歩みを早める。

 

だんだんスピードが早くなる。全力疾走。

 

体力のあるフェイトだが、ペースを考えずに走ったため自分のマンションの前で手を膝に付いた。

目をつぶりながら息を整える。すぐに息切れは止まり、目をゆっくりと開けた。

 


ふと、右手が目に留まった。まだ温もりを残した手。


身体を起こし、手を見つめる。陽で赤く染まった手。


フェイトは顔を上げると、太陽に手を翳した。そしてゆっくりと、何かを握り締めるように閉じた。

 

―――恋しい

 

フェイトの心はそれでいっぱいだった。胸が苦しくて、涙まで出そうになる。
少し潤んでしまった目を乱暴に擦って、その顔に切なさと悲しみを残したまま、マンションの中に入っていった。



Fin.



突発

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