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はるみち
ちょっとシリアスなラブ


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************
 
 
 
ちょっとしたすれ違い
 
 
それが沢山重なって
 
 
こんなにも大きくなってしまった
 
 
この山の向こうに
 
 
君は居るのだろうか
 
 
それとも……
 
 
************
 
 
冬の部屋の中、みちるは輝くネオンを眺めていた。
だが、すぐにそれも飽きてしまう。今のみちるにとって、どうやって時間を潰すかが、一番の問題であった。
寝てしまえば簡単なのだが、全く寝付けなかった。先程、少々お酒を口にしたが、それも効かない。これ以上飲むと本当に酔っ払ってしまうので、お酒に頼るという手段もなくなっていた。こうなったら、早く眠くなるのを待つしかない。
今の時間ではヴァイオリンを弾くことも出来ない、というか、気分でない。
つまり、今のみちるは何もしたくないけど、早く時が経つような方法がないか考えているのだ。詩集を広げても文字の羅列が頭の中にのめり込んで、すぐに落ちていくだけだった。
落ちつかなげに再び外を見る。ネオンは変わらず光っている。みちるはベランダへ出た。
空を見上げると、雲がかかっていて、月の存在が少し確認出来るだけだった。
シルバーミレニアム。かつてあれだけ栄えていた都が、今は……。
月を見て、みちるは考えを巡らせた。不意に悲しくなってきて、みちるは部屋に戻り、すぐに窓とカーテンを閉めた。元々暗かった部屋がさらに視界を閉ざす。
みちるはそのままそこに膝を抱えてうずくまった。
今、彼女は何をしているのかしら?考えて、すぐにそれ止める。今の時間では寝てしまっているに決まっている。身体のコンディションが一番大事なのだから。
 
もう少しだけ…、そう思ってみちるは冷蔵庫に向かおうとしたその時、携帯電話が鳴り響いた。
みちるらしくなく、そこへ焦っているかのように急ぐ。
携帯を開くと、どうやらメールの着信だったようだ。
メールを開いて、みちるは微笑んだ。そして、今一番欲しかったものはコレだったんだと気がついた。すぐに返信をして携帯を閉じた。
安堵したかのようなため息と同時に、やわらかな睡魔が下りてくる。
みちるは携帯を持ったままベッドに潜り込んだ。久々に安らかな眠りを得る為に。
 
 
『おやすみ、ってもう寝てるよね?きっと。起こしちゃってたらごめんね。明日、レースが終わったらすぐに帰るよ。愛してるよ、みちる。それじゃ、また明日♪』
 
 
 
 
幾つ山が連なっていても
 
 
君と僕は繋がっている
 
 
僕はそう信じたい
 
 
必ず見つけ出して見せるから
 
 
泣かないで
 
 
君へと繋がる糸を懸命に手繰り寄せて
 
 

Fin.



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