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某お方のネタに便乗してみました。先にそちらを読んできた方が良いかと思います。
子供が出来ちゃった!って言ってみるお話です。
需要のないけねえりです。今自分で書いてちょっと悲しくなりましたorz

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「……想像妊娠?」
「いや、そうじゃなくてですね、」

 竹林の奥、永遠亭の一郭。
 永琳は実験用に使っている部屋、所謂研究室で、薬売りから帰ってきた鈴仙と談笑していた。

「分かっているわ」

 説明しようとする鈴仙の言葉を遮る。

「偽装妊娠でしょ?」
「まあ実際そうなんですが、言葉が堅いです。師匠」

 永琳は荷物を棚に戻す鈴仙を見ながら、表情を緩めた。 

「最近の子はそんなことを言って遊んでいるのね」
「新しくできた神社の巫女の話ですが」
「そう。じゃあ外の世界の遊びね」
「遊びというか、恋人への愛の確認というか……」

 永琳の表情が驚いたものに変わった。
 鈴仙はその表情を見て、何故そんな顔をするのかと訝しむ。

「確認?」
「そうです。愛して貰っているのか、手っ取り早く確認できるらしいですよ」
「そうねぇ……」

 全然何を考えているか分からない(理解できない)人だが、流石にこれは分かる。
 師匠は意外に悪戯っぽいところがある。

 きっとやるつもりなのだろう。自分の恋人に。

 

*****

 

「慧音……」
「なんだ?」

 慧音宅の縁側。
 たまに永琳が来て、のんびりと二人でお茶を飲みながら会話を楽しんでいるのだが、今は雰囲気は違った。
 いや、今の今まではいつもと同じその雰囲気だった。
 他愛もない話をしていて、それで、いつもと同じように返事をした。

 だが、永琳のそぶりが少し違った。
 さっきまでの心地よさそうな様子はなく、何かを言い淀んでいるようだった。

「どうしたんだ?」

 察した慧音は、改めて言い直し、身体ごと永琳の方へ向ける。
 永琳は慧音をちらちらと伏し目がちにこちらを見た。

「……たの」
「え?」

「子供が……できたの……」

 言葉を理解するより先に、脳がフリーズした。それにより、身体も完全に固まった。
 不安そうな表情を隠さないまま、永琳がこちらを見ている。

 子供?子供ってあれか?身ごもった?ご懐妊?所謂おめでた?
 え?誰の?いや、私に言ってるんだから私だろうハハハハ。
 蓬莱人って子供出来るんだっけ?まあ出来るんだったらナマでなんてしないけど、
 いや子供が欲しくないとかじゃなくてもっと計画性と責任を持った大人にならないといけないわけで。

「慧音?」
「え?あ?や、えと」

 もはや言語になっていない。思考も相当可笑しくなっている。

「私のきょか?」

 声も上擦ったし、噛んだ。
 でも、言っていることは理解してくれたらしく、眉が上がった。

「あなたの子以外だったら、あなたに言うはずないでしょう?」

 ですよねー。一応、いや、一応じゃなくても恋人という関係をやらせて貰ってるわけで。
 やらせてもらってる?ん?これ誰かに許可してもらったのか?

「慧音!」

 いつまでも戻ってこない慧音に強めの音量が響いた。

「へ?」

 知識と歴史の半獣の名に恥じるくらい非常に間抜けな顔だった。

「もう一度言うわ……。あなたの……子供が出来たの」

 今度は真っ直ぐに慧音を見つめる。
 その真剣な眼差しから逃れられずに、視線がかち合う。

「すまない……!」

 見つめ合って数秒、慧音が頭を下げた。
 流石に予想していなかったのか、突然の土下座に永琳は目を丸くする。
 だが、それも一瞬のこと。すぐに表情は硬く戻った。

「どうして……謝るの?」

 頭を上げると、不安から悲しみに変わった永琳の顔。
 誤解を受けるような言い方をしたことに気付いて、慧音は懸命に言葉を探した。

「そうじゃない!子供が出来たのは嬉しい……が……」

 目を合わせられなくなってきて、段々と慧音は俯き、言葉尻も弱くなってくる。

「付き合ってはいるが……永琳にも永琳の生活があるし……家も一緒じゃないし……
 子供は結婚して落ち着いてから、と思っていたんだ……が……」

 俯いた慧音の耳が段々赤くなっていくことに気付く。

「プロポーズとかもし、してないし……」

 もう耐えられなかった。

「ぷっ…ふふふふふっ……!」

 突然腹を抱えて笑い出した永琳に、今度は慧音が面食らった。

「ど、どうしたんだ!?」
「ふふっ……嘘よ……」

「……え?」

 再び間抜け顔を披露して、今度はすぐに再起動した。

「嘘?」
「そうよ。新しくできた妖怪の山にある神社の巫女さんから鈴仙が聞いてきたみたいで」
「これを?」
「ええ。なんでも、恋人に愛して貰ってるか簡単に分かる方法なんですって」

 永琳はお盆の上にあったお茶を取った。
 慧音の様子を見ていると、嘘であったことで安心したのか、大きくため息をついて後ろに倒れ込んだ。

「そういう心臓に悪い嘘はやめて欲しいんだが」
「強壮剤でもいる?」

 しかめ面のまま、依然からかう永琳の言葉を無視する。
 勢いよく起き上がり、慧音はお茶を一気に流し込んだ。

「……分からないか?」

 湯飲みを口許に持ち上げたまま慧音がボソリと呟く。

「分かってるわ」

 永琳にはその言葉は届いたようで、ごく自然に返事が返ってきた。

「私は、口下手らしいから……鈍いとも言われるな……」
「そうね。鈍いは私が言ったわ」

 再び向かい合う。
 穏やかに微笑む永琳と打って変わって、慧音はかなり真剣な表情だった。

「……言葉が足りないなら言ってくれ」
「大丈夫よ。あなたは顔が相当お喋りだから」
「なっ……!」

 慧音はやっと始終からかわれていたということに気付いて、そっぽを向いた。

「土下座は驚いたけど、そこからどう言葉を持ってくるかまで分かったわよ」

 慌て具合を思い出したのか、後ろで永琳がクスッと笑った。

「笑えない冗談はよくない」
「私は今笑っているけど」

 言葉では勝てないと思い、慧音は再び嘆息した。

「あ」

 今度は何を言われても慌てないと誓いながら、慧音は振り向く。

「どうしたんだ?」
「足りない言葉、あったわ」

 普通に見ればにっこりと笑っているのだが、嫌な予感しかしない。

「プロポーズの言葉、貰ってないわ」
「え!?」

 さっき自分が言ったこと思い出して、自分は小石に思いっきり蹴躓いて、墓穴を大量に掘ってしまったことに気付く。

「いつ貰えるのかしらね~」

 そう言って再びお茶に口を付ける永琳。
 慧音は何も言えず、真っ赤な顔を背けることしかできなかった。

 

 終

全然書いてないから相当文章が下手になっている気がします。
いや、元々うまくないですけどね。
えりけねは久遠の歴史!!はやらないかなぁ……。

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