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そろそろなのは短編でもフェイはやとフェイなのとその他くらいに分けた方が良いような気がしてきた。

今回は普通のSSサイズなので少し遅れたことをこれで誤魔化すんだ!(誤魔化せてない

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「ごめん…私には付き合ってる人がいるから……」


なんでこんなところでやってるねん…。

私はドアを背にして、そうぼやいた。
だが、今の二人の状況を作ってしまったのは半分自分の所為なので、なんともいえない。

放課後、人気が無くなるまで教室にフェイトちゃんがいたのは、私が今日提出の宿題をすっかり忘れていたからなのだ。
思い出したのはHRで先生に言われてから。
しかも苦手な数学で、フェイトちゃんに教わりながらやっていたのだが…。
ちょっと目を離した(やっとのことで終わって提出しに行った)すきに、こんな状況に陥ってしまった。

さすがに空気を読まずにWAWAWA…なんて入っていける程、馬鹿ではない。

「それは分かっています。だから…一度で良いんです…一度だけで良いから、私とお出掛けしてもらえませんか?」

今回の子は随分と骨のある子みたいだ。
諦めずに迫っている。

顔が近い!そこまで近づいて良いのは私だけや!
段々嫉妬が膨らんでいく。

「でも……」

「お願いします!!」

フェイトちゃん…目が泳いでるな…。
押しの弱いからなぁ…どうするんやろ?

そう思いながら、私は否定を望んでいた。
当たり前だ。自分達だって、デートなんてあんまりしたこと無いのに。

しかも、私じゃない人と一緒に歩いてるところなんて…想像しただけで腹が立つ。

「……うぅ…」

「本当に…一度だけですからっ」

更に近づいて、フェイトちゃんの腕に抱きついた。

胸が当たっとる!!わざとやな!
っていうかフェイトちゃんなんで照れたような顔しとるねん!
アンタの胸の方がでかいわ!

…あかん。このままやったら押し切られてしまいそうや…。
そんでもって律儀やからフェイトちゃんは(押し切られたとしても)約束は守ってデート…に。
ここまで積極的な子や…。たった一日でフェイトちゃんの貞操まで持っていきそうや…。

先程も言ったが、だからといってお約束みたいにドアが倒れてガラガラガッシャーンと教室になだれ込むような、
空気を読めないような入り方は出来へん。
……今覗いとるの一人やし。

どうしようという言葉が頭の中を駆け巡るだけで、何も思い浮かばない。

…あ。

良いこと思いついた。
はやては口角を上げると、すぐに思念通話を繋げた。

『フェイトちゃ~ん』

ビクッとフェイトちゃんの身体が静止した。

『フェイトちゃん…?』

『な、なななな何かな?』

面白いくらい動揺している。

『その子、可愛いな』

「フェイトさん?」

不審な汗をかいているフェイトを見て、その子が心配そうに見上げている。

「いや、なんでもないよ?」

『なんでもないん…?愛する人からの愛情籠もった思念通話がなんでもないんか……ううっ』

「『そんなことないよ!!』」

口に出とるで?
吹きそうになって、思わず私も口を塞いだ。

「先輩、どうしたんですか!?」

「え、いや、え~っと、ご、ごめん。今人を待ってるところだったから…その、えと」

「あ、すみません。ご用事があったんですね…」

「あ、いや、こちらこそ」

「じゃあ、また今度来ます!では、さようなら!」

その子は意外にさっぱりと別れを告げ、教室を出ようとした。
私は慌てて廊下の角に隠れる。運良くその子は反対側の角を曲がり、下へ降りていった。

こりゃ…本当にまた来るんやないかな……

そう思いながらそのまま彼女の行方を見つめていると、再び教室のドアが開いて、金色の髪が現れた。

「ふぇ~いとちゃん」

後ろから声をかけると、ビクッと肩が揺れて、ロボットみたいにカクカクと振り返った。

「はやて…いつからいたの?」

「好きです!の辺りから」

「……最初からだね…」

フェイトちゃんはため息をついて項垂れた。

十分にからかったからもう嫉妬は燻っているほどだが、釘を刺しておかねばならない。
今度来たときに、ちゃんと断れるように。

「全く、フェイトちゃんは甘いな~」

「…そうかな…?はやてに甘いのは自覚しているけど」

ただでは釘を刺されてくれないらしい。

「せやな~。思念通話で話しているのに口でも叫んで愛を伝えてくれるくらいにな~」

言葉に詰まったフェイトちゃん。
まだまだ口下手だ。
私がそのままじぃっと見ていると、やれやれと言ったように肩を竦めて、

「参りましたよ、お姫様」

そう言った。
私は満足してニッコリと笑った。

「あの子…またくるで?どうするん?」

「どうやって断ろうかね?」

やられてもただでは起き上がらない。
でも、まだまだ。

「ちゃんと断らんと、私フェイトちゃんに会わへんから」

「え?」

相当ビックリしたようだ。

「口も聞かへん~」

私はそっぽを向いてフェイトちゃんから離れた。
私の狼さんは、とんでもなく優しいから。

「え、えと…」

慌てて追いかけてきたフェイトちゃんに振り返って、

「押しの強いのに弱いんやろ?」

上目遣いに覗き込んであげた。

「全く…勝てないよ……」

フェイトちゃんは、諦めたようなため息をついた。

「さ、提出終わったし、帰ろか」

「そうだね」

私はそっとフェイトちゃんの腕に抱きついて、夕日の射す教室に向かった。

 

Fin.

ハルヒとか乃木坂とか香辛料とか読んでたらSSがカオスになった。影響されすぎ。

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