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フェイはや祭一日目のやつ
甘いよ

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************
 

 
今日は待っても来ないのかもしれない


明日になってしまうのかもしれない


でも、いますぐかもしれない


そう思うとここから離れられない


いや、そう思うのならポケットにでも入れておけばいい話だ。


それでも私は机の上の充電器に置いてある携帯電話を、自分の腕を枕にしてジーッと眺めていた。
暇すぎる行為だ。
自覚しているのならベッドの上で本でも読んでいればいいのだが、何故かそんな気分にはなれない。


「今日は…あかんかな?」

確か管理局の仕事で、午後から学校にもいなかった。
どのくらいで終わるのかは聞いていない。
たとえ終わっていても、疲れてそのまま寝てしまうかもしれない。
そんなことを考えている間に何故か口から笑いがもれた。

「なんや…運転の練習しとるみたいや」

かもしれないという危惧だけで、さっきから考え事をしていることに気づいた。

車を運転しているなら、私は信号に注意しすぎて、歩道の信号が点滅し始めた時に止まってばかりいる新米ドライバーだろう。

いや、もしかして発進すらしていないのかもしれない。

「そういえば…車の免許取るとか言っとったな」

結局彼女のことに繋がってしまう自分に苦笑した。
視線だけを動かし、時計を見る。そして一つ嘆息。

「今日は…寝よか」

明日になったら返事が来ているかもしれない。それはそれで嬉しい。

目一杯朝寝坊でもしてみようか。

私はずっと同じ体勢で強ばってしまった身体を猫のように背伸びして解し、立ち上がった。
毛布を捲り、ベッドに潜り込む。電気を消す。私はそのまま目を瞑った。


~~♪~♪


不意に、携帯が鳴り出した。
……彼女からのメールだ。彼女の着信音は別になっているのですぐ分かる。


どうしよう?


自分がこれだけ焦らされたのだから、明日に返信するのもいいかもしれない。
私はそう思って布団から出ずにいた。だが、携帯はまだ鳴り続けている。


電話?


メールにしては長いことに気づき、布団を飛び出してそれを取った。

「もしもし?」

『あ、もしもし』


彼女の声だ。
そう思うだけで心が弾んだ。


「どうしたん?」

『いや…その…』

何かを言い淀んでいる様子に、彼女らしいと笑みを零した。

「はっきりしてぇな。何?」

『いや、え~と…』

コンコン

窓からそんな音が聞こえて振り向いた。

『…来ちゃった』

「なっ…!?」

突然すぎる喜びに、私は表情を隠せなかった。
彼女がそんな私の顔を見て、クスッと笑いを漏らしていた。

『開けて…くれる?』

何か…悔しい。

「いや~」

『ええっ!?』

確実に開けてくれると思っていたのか、そんな間抜けな声を上げた。

『その…マジですか?』

「大マジや」

『開けてよ~』

情けない声、と表情。

そんなところも大好きだ。

「じゃあ…開けてあげる代わりに…一つ言うこと聞いてくれる?」

『はやてのお願いなら、何だって聞くよ』

即答する彼女。私は電話を切って、彼女のいるベランダに向かった。


とりあえず…朝まで抱きしめていてもらおう。


そんなお願いを考えながら。


Fin.


好きな人のメールとかって待ちかまえてしまったりしませんか?

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